作品解説 Part1 第6話
https://milkynapoly.hatenablog.com/entry/2020/04/11/000000
の続き。
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第6話「望月杏奈の憂鬱」 | kyc #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6947300
前回の「転」がやってくる
今回のエピソードは主人公サイドの最後の一人、杏奈ちゃんの登場回なわけですが
Aパートでは杏奈ちゃんは登場せず、前回のVSロコちゃんエピソードのタネ明かしみたいなことが行われてます。
百合子ちゃん視点に絞って前回のエピソードを分解すると
- 起: 『扉』とは異なる能力に遭遇し、「音の鍵」というキーワードを元に同一の能力者によるものだと気付く
- 承: 「動くものに反応する」という性質に気付き、本体の破壊を試みるが、それが出来ない
- 転: 対抗手段が無く追い詰められるが、完全に遠隔型の能力であることを逆手に取り窮地を脱する
- 結: 本体であるロコの姿を見たことで、昴と共に追い詰める算段を立て彼女に連絡する
といった感じで、これの「転」に当たる部分を今回の話に持ってきているというわけです。
因みに百合子ちゃんがロコちゃんと(間接的に)対峙する上記の起承転結は
ロコちゃんエピソード全体でいうところの『承』に当たる(と思っている)
起承転結のそれぞれをさらに起承転結に分解していくのはプロット書く時に今でもよくやりますね
前回の解説で書いたように、この「転」を後回しにしちゃったのは若干微妙かなと思ってたんですが
今回はそれに加えて、流れでロコちゃんに遠隔操作型能力の概要、ひいてはスターヴィジョンの仕組みをざっくりと説明してもらうことに一役買っています
Part2でもそれなりに頑張ってますが、世界観を説明する描写を上手く入れ込むのは中々難しいので、こうして隙が出来た時に差し込んで上手くバランスを取っていくのは長編書いていく上で結構大事だなと個人的に思ってます。
そんな感じでロコちゃんの正式な合流をAパートでは描いている訳ですが
正直今読み返すとAパートをこれで終わらせるのは結構内容薄いな……と思ってしまう。
そのせいで第7話が凄く長くなってしまってる感も否めない。
望月杏奈を勘違いしていた男
以前にもTwitterで書いた気がしますが……
実は執筆当時、杏奈ちゃんは15歳で百合子達と同い年だと思っていたんですよね
なので実は、百合子ちゃんのやつはほとんど意図的なものだったのに対し杏奈ちゃんのキャラ付けに関しては普通に勘違いしていたものだったということをこの場を以てお詫び致します(?)
ミリオンライブポチポチやってたり、他の二次創作見てる時にあんゆりの会話見て「ん?」ってなってから、その後色々焦った記憶があります。
そして百合子のこともあるしもう今更だなって開き直ったことも
今でこそアイドル達にオリジナルの脚本を演じて貰っている……という体で、その世界観について納得出来るように(そしてしてもらうために)考えを整理してきたので自分としては大丈夫なんですけど
やっぱりまだ書き始めの頃だったので読む人にどう思われるか、ってところでは(正直今でも)結構悩んでしまった部分があります。その辺は二次創作の難しさ。
ただ最近はミリシタでまさしく公式二次創作みたいなイベントが沢山あるので
僕としては「そう、こういうのがやりたかったんだよ! 公式がやってくれてありがとう!(?)」と安心感を覚えたりもしたりしなかったり
どうやら時代を先取りしすぎていたらしい
因みにこりゃちゃんと意識だけは持っとこう
と思って呼称を調べた時に、杏奈ちゃんが年上でもロコだけは呼び捨てってことに気付いたのが僕の琴線に触れ、揺らし引き千切ったという事件があります。そしてそれが、終わりなきあんロコ地獄沼への誘(いざな)いだったのであった。
『ビビッド・ラビット』を形にしたい
杏奈ちゃんに関してはかなり早い段階で『ビビッド・ラビット』という能力名にすることを決めてました。響きが凄く好きで、能力名として使ってみたい! と妄想していたので。
またスターヴィジョンの像のイメージ(というか元ネタ)についても、VIVIDイマジネーションのカード衣装見てこれしかない! とずっと心に決めてました。
↓因みにこれです
この衣装、好きなんですよね……
当時は(を連呼して懐古記事みたいになってて嫌なんですが……)曲名カードとかも確かそんな数がなかったので、逆に言うと○○といえばこの衣装! みたいなのが個人的にはあって、杏奈ちゃんのソレがこの衣装でした。
もう本当に、凄く理想的だと思ったんですよね。望月杏奈の二面性とか、数少ない趣味嗜好とかを本当に体現してたから、杏奈ちゃんがスタンドを発現したらこういう像になるだろうな~! っていう(トチ狂った発想)
だから『ビビッド・ラビット』の能力は完全にこのビジュアルありきで考えているのです。これは他の能力達と比べると少し珍しいパターンかもしれないです。
因みに杏奈ちゃんもまた二次創作を通してかなり好きになったアイドルの一人なのですが
その大きな理由はやっぱり、「自分の理想の姿を元に能力を発現させる」という自分のオリジナル設定に、杏奈ちゃんのキャラクターが綺麗に乗っかってくれたことが大きかったのでは、と思っています。
彼女のON/OFFキャラクターの設定って、ある意味では内側に閉じ込めてる自分を表に出す、って捉え方もあると思うので
「理想の自分を思い描いて戦う/成長する」っていうテーマに凄くハマるんですよね。
あとはまあ単純に、ON/OFFそれぞれの杏奈ちゃん(今作では杏奈と『ビビッド・ラビット』ですが)のテンションで台詞を書くのが楽しいっていうのもありましたね。せっかくトチ狂った二次創作をやっているので、両方の杏奈ちゃんを書いてみたかったというのがあるので。
それに彼女の引っ込み思案なキャラクターもまた、成長させ甲斐があるし、自分が理想とする存在に引っ張られていくっていう構図が堪らないし……
杏奈ちゃん、主人公力高すぎですね。今からでも主人公にしてあげたい。
まあ後に主人公級の活躍をする訳ですが
そういうシナリオに寄っていったのも、書いてる内に彼女への愛が募っていった結果ですね……
因みに響戦の杏奈ちゃんに関しては、本当に書きながら思いついていったものだったりします。後から見れば相当大事な展開だったはずだけど……仕方ない。人は取り敢えずで長編を書き始めてしまうのである。
たとえ原作キャラクターの把握が曖昧でも、二次創作の長編小説を書き始めてしまうのである。
皆さん絶対に真似しないで下さい。
第6話の後編には新しい敵役として美奈子ちゃんが登場しますが
ちょっと杏奈ちゃんについて語り過ぎたので次回に回すことにします。
実際、第7話は美奈子メインの回であり、かつ僕の『スターダストシンフォニー』に対するモチベーションがグッと上がった回でもあったりするのです
またまた凄い長文になってしまいそうな予感がするけど……まあそれはそれ(?)
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kyc